冬の必需品『ハクキンカイロ』『ハンディーウオーマー』のススメ

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カイロ(懐炉)……と聞くと、使い捨てタイプのモノを連想する方が多いのではないでしょうか。そんな『使い捨てカイロ』が有るからには「使い捨てじゃあない……カイロ」が世には存在する訳で、それが今回ご紹介するハクキンカイロや、ハンディーウォーマーであったりするわけです。

24時間前後持続するあたたかさで、何度も使えて、安全。しかも高コストパフォーマンス。そんな日本発祥のエコなグッズについてご紹介いたします。

ハクキンカイロ/ハンディーウォーマーとは!?

文章で説明すると、気化したベンジンをゆっくりと酸化発熱させて温める、ポータブル暖房器具……とでも言いましょうか。具体的には下記のような物です。

Zippo ハンディーウォーマーとマルカイ ハンディーウォーマー・ミニ
Zippo 『ハンディーウォーマー』と『ハンディーウォーマー・ミニ』

ステンレス製の本体と、そのフタ、専用バ―ナーという構成で出来ています。

ZIPPO(ジッポー) ハンディウォーマー用 交換バーナー ZHW-JHG HANDY WARMER BURNER
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一般にハクキンカイロと呼ばれる製品はハクキンカイロ株式会社』の独自製品ですが、現在は同様の原理の懐炉は多数製品化されています。(前述の写真もZippoブランドとして日本の『マルカイコーポレーション』から販売されています)

その構造や原理はほぼ同一ですが、以下に少しだけご紹介しておきましょう。

ハクキンカイロ

ハクキンカイロ ハクキンウォーマー スタンダード 1個入 【保温約24時間】
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元祖ともいえる ハクキンカイロ株式会社の、カイロ。

ハクキンカイロは1923年、創業者 的場仁市 によって発明されました。

彼は、白金(プラチナ)の触媒作用による酸化反応熱原理を発熱器に応用する特許を取得し、これの実用化、製品化のため長年に亘って研究実験に取り組み、寝食を忘れて熱中没頭し遂に手作りでその原型を完成し、これを白金懐炉(ハクキンカイロ)と命名したのがはじまりです。 

ハクキンカイロ株式会社 webサイト『ハクキンカイロ資料館』より

白金(しろがね……では無くて)=ハクキンの懐炉だから『ハクキンカイロ』と命名されたのですね。この製品を開発し、販売を始めた始祖とも言える製品で、同社は現在も製品を販売しています。

後述するハンディウォーマーのようにベンジンはセットで販売されていませんが、ベンジンを補充する為のピンク色の専用カップが便利です。本体のデザインも『これじゃなきゃヤダ!』という根強いファンも多いようです。

Zippo ハンディーウォーマー シリーズ

そしてこちらは、オイルライターの『Zippo』ブランドの、ハンディーウォーマー。その、ややモダンなネーミングが若者うけしそうですが、原理はハクキンカイロと同じ。

ZIPPO(ジッポー) ハンディウォーマー&オイルセット ZHW-15
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Zippoブランドではありますが、国内のジッポ―販売代理店である『マルカイコーポレーション』が、そのブランド名を冠して販売している製品の様です。Zippo用オイル自体が、その実『無煙ベンジン』なので、これをパッケージ同梱して販売されています。

ハクキンカイロ/ハンディーウォーマーの仕組み

ハクキンカイロは、触媒となる白金を含むバーナー部を通して、ベンジンが酸化する際に発生する熱を利用している……という原理だそう(※)です。

※詳細はWikipediaをご確認ください 『懐炉 白金触媒式カイロ』 より

構造としては、ベンジンを染みこませる綿の入った『本体』と、小さい綿のはいった『バーナー(火口 ひくち)』、そして通気孔のついた『フタ』にあたる部分という構成でできています。そしてこの本体部分に染みこませたベンジンを、バーナー部分に130度以上の熱を加える事で酸化促進させ、結果として全体が温まります。

形状や模様、通気孔の形などが違ったりしますが、基本的にどのブランドの物でも構造は同じです。

綿の入ったボディ、バーナー、フタ という構成。Zippo ハンディ―ウォーマー
綿の入ったボディ(左上)、バーナー(左下)、フタ(右) という構成

この見た目、シンプルであまり飾り気が無い。質実剛健な道具!って感じで愛しくなりませんか?(個人的な感想ですが……笑)

なお、下記はZippoハンディ―ウォーマー(amazon)を新品パッケージで購入した場合のセット内容。使い始めるのに必要なものが同梱されています。

Zippo ハンディ―ウォーマー 上段左から、パッケージ、マニュアル 下段左から、フリース袋、本体、補充用リフィル(Zippoオイル)、軽量カップ
上段左から、パッケージ、マニュアル
下段左から、フリース袋、本体、補充用リフィル(Zippoオイル)、軽量カップ

使用に際しては、上記の他に加熱を始める為のライターが必用になりますので、用意しておきましょう。

使い方

続いて、使い方をご説明しましょう。

まずフタ部分と、バーナーを外して……

ハクキンカイロ フタ部分と、バーナー(火口)を外す
フタ部分と、バーナー(火口)を外す

リフィル(ベンジン、ジッポオイルなど)を注ぎます。

ハクキンカイロ へリフィルを注入!
リフィルを綿にしみこませます

写真で筆者は、Zippoオイル缶から直接注いでますが、慣れないうちは製品についてくる計量カップを使うと良いでしょう。

バーナーを取り付け……

ハクキンカイロ へバーナー(火口)を取り付ける
バーナー(火口)を取り付ける

触媒に熱を与えるためライターの火で、バーナーを2~3秒加熱します。中の綿(白金触媒)に炎の先端があたるようにすると良いでしょう。

ハクキンカイロ ライターでバーナーを暖める
ライターでバーナーを暖める

この加熱により、触媒部分でベンジンの気化が促進され本体が少しづつ暖かくなっていきます。バーナーの綿部分に直接火が付くという事ではありませんが、リフィルを注ぎ過ぎて外に漏れてしまったような場合は、念のため良く拭いて少し待ってから火をで温めましょう。

この後フタを締める前に、フタ部分の角をバーナーの触媒部分にすこし近づけてから、離したときに近づけた部分に少し結露のような曇りが付いていたら動作OKです。

ハクキンカイロの加熱が開始しているか確認
加熱が開始しているか確認
ハクキンカイロ へ近づけた箇所が、結露のようになると起動OK
近づけた箇所に、蒸気の跡がつけば起動OK

あとは、フタを閉めて専用のフリース袋に入れればOK。カイロは徐々に暖かくなりますので、ポケットなどに忍ばせておきましょう。

ハクキンカイロ をフリースの袋に入れてポケットなどへ……あたたか~い
フリースの袋に入れてポケットなどへ……あたたかい!

ちなみに、ハクキンカイロ/ハンディ―ウォーマー本体は、そのままだと結構暖かくなりますので、フリースの袋へ入れるのは必須です。

ハクキンカイロ  非接触温度計で表面温度を計ってみると 59.6度(摂氏)
非接触温度計で表面温度を計ってみると 59.6度(摂氏)

簡単な赤外線非接触タイプの温度計で表面温度を測ってみると、59.6度。裸のままだと結構暖かくなります。

このハンディ―ウォーマー・ミニタイプでも、1回の補充で、24時間位暖かさが持ちます。

メリットとデメリット、そしてランニングコスト

今回は、非使い捨てのエコなカイロ、『ハクキンカイロ』および『ハンディウォーマーシリーズ』のご紹介をいたしました。

メリット

リフィルを補充して使う事で、何回でも使えるという点。そしてシンプルで簡単、手軽で、しかも安全という機能性により、多くのユーザーに愛用されています。

そして24時間前後暖かさが持続するという点も素晴らしい点。仕事や、遊びなどの外出時はもちろん、家に居る時、寝るときでも、ポケットなどに入れておけば、暖房の補助効果として頼りになります。

仕事の時も、ワイシャツの胸ポケットに入れておくと暖かさが広がり、ジャケットやコートの中が一層心地よくなります。

デメリット

筆者のお気に入り製品なのですが、デメリットをあげるとすると、やはり温める段階で火を使うという点でしょうか。温めた後はほぼ危険なく使えますが、小学生などの子供にそのまま使わせるというのは心配な方も居るかもしれません。

また、煙草を吸わない人は、日常的にライターを持ち運びしないので、数日にわたる旅行などに持っていこうとすると、少し荷物が増える事になります。

またベンジンは飛行機には持ち込む事ができないので、飛行機での旅行時には利用できません。ベンジンを持っていなくても、温めたハクキンカイロ/ハンディ―ウォーマーは飛行機内へ持ち込む事も出来ないので、空港で預かりとなってしまうそうですのでご注意を。

そして、ベンジンの独特の臭いが気になるという人もいます。ポケットに入れておいて、他人に臭いを気づかれる……という事はほぼないですが、臭いに敏感な方などは念のためその点も含めてご検討ください。

筆者は寝るときにポケットに入れていると、妻に「ちょっとシンナーみたいなニオイがする!」と怒られるので、最近は就寝時に使えません……あたたかいのに。

ランニングコスト

本体はさまざまなメーカーから発売されていますが2000~4000円前後。

一番肝心な補充用リフィルは、ハクキンカイロ推奨のタカビシ化学のカイロ用ベンジン 500mlが650~750円位。

東京在住の筆者は、1シーズンこれをだいたい2本位使いますので、本体を新しく買ったとして、試算すると……。

本体セット 3500円 + 500ml ベンジン2本 1500円= 6,500円

休みの日などを考えると、厳密には毎日使っていたわけではありませんが、11月位から使い始めて、3月までの費用を計算すると、150日計算で、1日33円位の計算になります。本体を既に持っていれば、150日計算でリフィル・ベンジン2本分1500円……1日あたり10円で使い続ける事ができる計算になります。

なお、専用のバーナーは、筆者の体感では2、3シーズン位は交換しなくても大丈夫ですが、もし温まり難くなったら、500~700円前後で販売されています。ハクキンカイロから出ているものは、不良品にあたる確率が多く(加熱しない、し難いなど)、Zippoブランドのものを買うようになりました。

なお、Amazonなどのネットショッピングサイトだと、冬の時期は、本体やベンジンの実売価がやや高くなる傾向がありますので、興味のある方はオフシーズンに購入しておくのもオススメです。

KeepaによるAmazonでの販売価格推移(タカビシ化学 カイロ用NTベンジン 500ml)
KeepaによるAmazonでの販売価格推移(タカビシ化学 カイロ用NTベンジン 500ml)

当サイトでも紹介した、Chrome用『Keepa – Amazon Price Tracker』で確認すると、2018年の10月には578円だった『タカビシ化学 カイロ用NTベンジン 500ml』が、12月には742円になっているのが確認できます。サードパーティの出品は1200円以上という場合も多いようです。

カイロ用ベンジンと同様に使えるZippoブランドのオイル缶(大)は、355ml入りで550円~700円位で推移しています。これもZippoブランドの方がニオイが少ないという意見も耳にするので、気になるという方は試してみると良いのではないでしょうか。

まとめ、関連リンク

筆者が小学生くらいの時分には、TVコマーシャルで使い捨てカイロCMが流行っていた時代で冬になると『ホカロン』『どんと』や、『ホッカイロ』といった使い捨てカイロのCMをよく見かけました。当時はカイロ=使い捨てカイロという認識の世代でしたが、時は経ち現在ではこの原始的な道具を愛用するようになりました。

初めて買ったハクキンカイロは3年目位で紛失してしまい、その後当記事で紹介している、ハンディーウォーマー・ミニを8年程使用。そろそろ着火が悪くなってきたので、今回の執筆にあたZippo ハンディ―ウォーマーを購入し、3個目。

使い捨てカイロもどこでも買える……という点ではとても便利ではあるのですが、簡単なメンテナンスで無限に仕えるハクキンカイロやハンディーウォーマーを使うのは(エコとか、コスパとか、勿体なさ、といった理由ももちろんあるのですが)、道具として使い続ける喜びと、愛着を感じている、というのが正直な所かもしれません。

べ……べつに、某アウトドア漫画に『ハンディカイロ』が出てきたからってワケじゃないんだからね!!


ハクキンカイロの使い方

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