漫画配信Webサービス『マンガ図書館Z』 2024年11月26日にサービス停止決済サービスの契約解除が引き金に

絶版マンガの電子化と無料配信で知られる『マンガ図書館Z』が、2023年11月26日正午をもってサービス停止することを発表しました。運営会社のJコミックテラスによると、決済代行会社との契約解除が直接の要因とのこと。

同サービスは今後、非営利団体への移行やクラウドファンディングなど、サービス再開への道を模索していくとのことです。

記事の索引

1 無料漫画配信の先駆者『マンガ図書館Z』が11月26日サービス停止へ
- 1.1 背景にクレジット会社の決済停止問題
- 1.2 関連ニュース（外部サイト）
2 関連リンク

無料漫画配信の先駆者『マンガ図書館Z』が11月26日サービス停止へ

絶版マンガの電子化と無料配信で知られる『マンガ図書館Z』が、2023年11月26日正午をもってサービスを停止することが明らかになりました。

『マンガ図書館Zのサイト停止につきまして』画像マンガ図書館Zお知らせより — 『マンガ図書館Zのサイト停止につきまして』
画像マンガ図書館Zお知らせより

漫画家・赤松健氏が2010年に立ち上げた前身サービス『Jコミ』を起源とする『マンガ図書館Z』は、絶版作品や未単行本化作品など、希少な漫画の発掘・配信に特化したサービスとして支持を集めてきました。16,000冊を超える作品は、すべて作家や権利者から正式な許諾を得て提供し、広告収入を作者に還元する独自のビジネスモデルで、漫画文化の保存に貢献してきました。

今回のサービス停止の引き金となったのは、決済代行会社からの契約解除通告のようです。

決済サービス及びプレミアム会員サービス停止のお知らせマンガ図書館Z 2024年11月05日

10月末までにすべての決済サービスが利用できなくなり、過去の支払いまでもが留保される事態に発展。プレミアム会員からの会費が入金できなくなり、サーバー維持費の支払いすら危ぶまれる状況となったようです。

この事態を受け、赤松氏は自身のXで「決済サービスをおさえる企業に屈する形になったことを深くお詫びいたします」とコメント。この経験を「表現の自由を守る」ための具体例として活用し、業界全体の課題として取り組む姿勢を示しています。

「マンガ図書館Ｚのサイト停止に関するお知らせ」についてhttps://t.co/UmjE71Wzyf

私が14年前に立ち上げたＪコミ、現在の「マンガ図書館Ｚ」が、11月26日でサイトを停止する決断をいたしました。私は既に経営からは退いていますが、今回のお知らせの文章は私が代表して書いたものです。…
— 赤松健 ⋈（参議院議員・全国比例） (@KenAkamatsu) November 5, 2024

なお、運営会社は他社ストアへ作品提供する卸事業は継続する方針です。さらに非営利団体への移行やクラウドファンディングなど、サービス再開への道を模索していくとのことです。

マンガ図書館Z
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背景にクレジット会社の決済停止問題

今回のサービス停止には、海外クレジットカード会社によるアダルトコンテンツへの規制強化が影響しています。特にVisaやMastercardによる決済停止は業界全体に波紋を広げており、2024年4月にはDLsiteを運営するエイシスが両社からの決済停止を受け、一部作品の販売中止を余儀なくされました。

この規制の対象はアダルトコンテンツに限らず、タバコや大麻関連の企業にも及んでいます。例えば、アメリカの一部州では大麻が合法化されているにもかかわらず、クレジットカード決済が利用できないケースが増えているようです

この背景には、決済プロバイダーがリスクの高い業種に対して設けている厳しい方針があります。その結果、たとえ合法的に運営されているビジネスであっても、決済手段が制限され、収益に深刻な影響を受けることになっています。

今回の『マンガ図書館Z』の事例は、アダルト作品を含む一般サービスへの影響も示唆しており、業界の危機感が高まっています。代替決済手段の模索も進んでいますが、ユーザーの利便性確保が課題となっています。

クレジットカード会社や決済会社による一方的な通告や取引制限は以前からあった事ですが、昨今はサービスの運営者・利用者にとって大きな影響がある事例も目立つようになってきました。

無料漫画配信の先駆者『マンガ図書館Z』が11月26日サービス停止へ

背景にクレジット会社の決済停止問題

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