ダイソー1,000円ワイヤレスイヤホンの性能は? 『完全ワイヤレスイヤホン2』レビュー
ダイソー1,000円ワイヤレスイヤホンの性能は? 『完全ワイヤレスイヤホン2』レビュー

ダイソー1,000円ワイヤレスイヤホンの性能は? 『完全ワイヤレスイヤホン2』レビュー

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ワイヤレスイヤホンも低価格化が進み、Amazonなどの通販サイトでは5000円台の手頃な価格で高品質なワイヤレスイヤホンが手に入るようになりました。 一方、100均ショップ大手のダイソー(DAISO)でははさらに低価格な1,000円(税込1,100円)のワイヤレスイヤホンが複数販売されています。

そこで当記事ではその製品群の一機種に絞り、他社製品との比較とともにダイソーワイヤレスイヤホンの傾向を探ってみたいと思います。

ダイソー1,000円代のワイヤレスイヤホンの性能をレビュー

2024年現在、ダイソーのワイヤレスイヤホンは9種類が発売されています(DAISO公式ダイソーネットストアより)。どうやらすべて中国製品のOEM販売で、Bluetoothイヤホンとして音声を受信、ドライバーより音声を出力するというベーシックなもの。

いずれも通話用のマイクはありませんが、HFPプロトコル(携帯電話などにハンズフリー機器を接続する方式を定めたBluetoothプロトコル)には対応しているため、通話時に相手側からの音声を受信することはできます。

一方、製品ごとにデザインが違う他、Bluetoothのバージョンは5.0または5,3、ダイナミックドライバー口径は8㎜~10㎜、その他駆動時間などに違いがあるようです。

その中から今回紹介するのは『完全ワイヤレスイヤホン2(タッチセンサー タイプC充電対応)ホワイト』という商品名の製品です。

『完全ワイヤレスイヤホン2(タッチセンサー タイプC充電対応)ホワイト 販売ページ
『完全ワイヤレスイヤホン2(タッチセンサー タイプC充電対応)ホワイト 販売ページ

スペック、他社製品との比較

『完全ワイヤレスイヤホン2』パッケージ内容
『完全ワイヤレスイヤホン2』パッケージ内容

取扱説明書に記載されているスペックは以下の通り。

製品名 完全ワイヤレスイヤホン2
ドライバーサイズ 8mm
形状 カナル型完全ワイヤレスイヤホン
ノイズキャンセリング なし
対応コーデック SBC
対応Bluetoothバージョン Ver.5.3
サイズ
(L×W×H)
(不明)
重量 (不明)
マルチポイント対応 なし
防水規格 (不明)
イヤホン(片耳)の再生可能時間 6時間
充電ケースを含んだ再生時間 21時間
ゲームモード なし
充電ポート USB TYPE-C
JANコード 4550480375823

サイズなどの記載がありませんが、実測ではケース込みで29×36×58mm程度というサイズ感。重量はイヤホン片側4g、両側+ケースで40gと標準的なサイズであるといえるでしょう。

機能的にはマイクがない上にマルチポイント対応、ノイズキャンセリング機能、ゲームモードなどの機能はありません。イコライジングについても専用アプリなどは用意されておらず、決め打ちの音設定となっています。

付属品については充電用のUSBケーブルが別売りとなっており、イヤホン本体に付くイヤーピース(耳穴に合わせるゴム製のアダプタ)は、中サイズ程度の1つのみが、本体に装着された状態で梱包されています。

ダイソーのワイヤレスイヤホンとしては他にも複数の製品がありますが、基本的な構成としてはほぼ同様の仕様のようです。一方、この価格帯でイヤホンサイドをタップすると音源をコントロールできる「イヤホンタッチセンサ―」が搭載されているのは特筆すべきところであるといえるでしょう。

マイナスポイントとしては、箱周辺の注意書きの文字がかなり細かく、肉眼ですべてを読み取ることはかなり困難しました。箱色のデザイン(グレー)と文字色のマッチング(白)も適切でないため「読ませる気などないのでは?」と思えてしまい、直接機能には関係ないものの、やや残念に感じました。

実物外観など

ケース、イヤホン表面は艶消しのホワイトで仕上げられています。意外に汚れや傷なども目立たなくなりそうで好感が持てるポイントであります。

ダイソー完全ワイヤレスイヤホン2
本体
充電ケースとイヤホン本体 ダイソー完全ワイヤレスイヤホン2
充電ケースとイヤホン本体

筆者が手元にある(QCYのHT07 ArcBuds)と比較すると、イヤホンのサイズ感は同等です。ただしケースはやや高さがあります。

QCYのHT07 ArcBudsとダイソー完全ワイヤレスイヤホン2の比較
QCYのHT07 ArcBudsとダイソー完全ワイヤレスイヤホン2の比較

ただHT07 ArcBudsはドライバーサイズが10㎜であり、かなり機能を絞った本機であれば、同じように10㎜のドライバーも実装可能であったのではないか、などと素人の考えながら思うところであります。

ダイソー完全ワイヤレスイヤホン2
ケースにイヤホンを収納した状態
ダイソー完全ワイヤレスイヤホン2
ケースにイヤホンを収納した状態

なおケースのバッテリー残量がLEDの点灯ランプ数で4段階表示できるようになっており、これは分かりやすいのでプラスポイントであるといえるでしょう。

操作関連

イヤホンのタッチセンサ―は、低価格帯ワイヤレスイヤホンでは機能と操作の割り当てがあるものも多く存在するのに対し、基本的にはあらかじめ決められた操作より変更不可となっています。但しボタンの操作性は良好であり、慣れれば便利に使えるものであります。

『完全ワイヤレスイヤホン2(タッチセンサー タイプC充電対応)ホワイト』 操作方法一覧表

電源オン 自動: 充電ケースの蓋を開ける手動:イヤホンのタッチパネルを2秒間長押し
電源オフ 自動:イヤホンを充電ケースに戻して、蓋を閉じる手動:イヤホンのタッチパネルを約5秒間長押し
再生/一時停止 R側のイヤホンのタッチパネルを1回タップ
音量ダウン L側のイヤホンのタッチパネルを1回タップ
音量アップ L側のイヤホンのタッチパネルを2回タップ
曲戻し R側のイヤホンのタッチパネルを3回タップ
曲送り R側のイヤホンのタッチパネルを2回タップ
着信受話/通話終了 R側のイヤホンのタッチパネルを1回タップ
着信拒否 R側のイヤホンのタッチパネルを2回タップ
通話切り替え イヤホンのタッチパネルを2秒間長押し
リセット 充電ケースからどちらかのイヤホンを取り出しタッチパネルを4回タップ
音声アシスタント L側のタッチパネルを3回タッチ
※Siri、Googleアシスタントなどが起動

なお、ペアリングや切断時の音声はメッセージで行われるため、状態の確認性も良好です。

音質

本製品はコーデックとしてSBCのみに対応しており、かつイコライジングも固定となっているため好みが分かれるものであるといえます。

8㎜という若干小径のダイナミックドライバーを使用しているためか、若干デフォルトのイコライジングは音質ブースト設定を強めにしているようであり、ロックやポップスなどの比較的音圧が強めのジャンルのサウンドには合う印象です。

なおノイズキャンセリング機能がない分、イヤーパッドはサイズ以上に穴がふさがるよう工夫された仕様となっていますが、それほど外周音も気にならない感じでもあり実用性としては十分であるといえます。

マイルス・デイビス 『カインド・オブ・ブルー』でベンチマーク

Jazzトランぺッター、マイルス・デイビスの歴史的名盤『カインド・オブ・ブルー』をこのイヤホンで試聴したところ、やはり若干ローとハイが出過ぎているイメージがあります。また、かすかに聴こえてくるこの盤特有のノイズが、わりとブースト気味のイコライジングのため若干目立って聴こえます。

M I L E S D A V I S – Kind Of Blue – Full Album
M I L E S D A V I S – Kind Of Blue – Full Album

そのためノイズが単に耳障りな感じでもあり、音の好みにもよりますがあまり繊細な音の再生には向いていない印象でもあります。

なお、ダイソーの他機種ではドライバーのサイズが異なるものもあり、それぞれのメーカーによりイコライジング条件、設定も異なる可能性もあり音の傾向に多少のバラつきはあるでしょう。

まとめと、総合評価

本製品は低価格帯ワイヤレスイヤホンと比較してもやはり機能、性能はかなり劣る面はあり、コスト感としては値段相応である印象でした。

しかし価格を考えた使い勝手と考えると、むしろ「ワイヤレスイヤホンとしてこれだけは揃えておきたい」という最低限の機能に絞ったシンプルさこそが、この製品のストロングポイントではないかという見方もできます。

音声に関しては特にノイズなどもなくクリアに聴こえるものであり、音源の音を聴くという最低ラインは十分クリアしています。そのため音の質にそれほどこだわらず普段使いをしたい、という場合には最適でもあります。

ワイヤレスイヤホン初体験という方、あるいは今所有しているイヤホンのサブ機という位置づけで使用するには十分の製品といえるでしょう。

音質 ★★(2)
音楽鑑賞にあたってはローとハイが出過ぎているように感じる。繊細な音の再生には向いていない
デザイン ★★★★(4)
値段のわりに実用的な仕上げとされている印象
サイズ・重さ ★★★★(4)
他社製品と大きな差はなく実用的でもある
使いやすさ ★★★☆(3.5)
タッチセンサーなど、動作も問題なく通常使用に関して特に支障はない
コストパフォーマンス ★★★(3)
各分の素材、構造としては値段見合い
総合評価 ★★★(3)
質としては最低限をカバーしているという印象だが、しっかりと使用局面を考慮した上で機能をうまくまとめている。
いい意味で価格相応。
ダイソー完全ワイヤレスイヤホン2  レビュー
(最大星5つ/0.5刻み/9段階評価)
ダイソー1,000円ワイヤレスイヤホンの性能は? 『完全ワイヤレスイヤホン2』レビュー

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黒野でみを

40歳で会社員からライターに転身、50歳で東京より実家の広島に戻ってきた、マルチジャンルに挑戦し続ける「戦う」執筆家。音楽、映画からスポーツ、釣り、イベント、そしてガジェットや雑学と、やれることにはなんでもチャレンジします!

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