今、評論同人誌が熱い!コミックマーケット93で見つけたニッチでディープな同人誌達

執筆: しんいち アイコン しんいち

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ライターのしんいちです。

皆さんはオタクの祭典とも呼ばれる、コミックマーケット=コミケ、コミケット(以下コミケット)はご存知でしょうか?。

年に2回、アマチュアやプロが自由な表現の場として集い、自主制作の同人誌、通称「薄い本」を中心にゲーム、音楽、アクセサリーなど様々な表現を発表する場、それがコミケットです。

近年では芸能人の参加もあったりして、何かと話題となっていますね。

会場 東京ビッグサイト。曇天で、珍しく雨も降りました。

会場 東京ビッグサイト。この日は曇天で、珍しく雨も降りました。

とはいえ会場内はいつも通り熱気に包まれています

とはいえ会場内はいつも通り熱気に包まれています

このコミケットに、かれこれ25年以上通っているボクですが、ここ数年は『評論(※)』と呼ばれる同人誌ジャンルの島(=ジャンル分けされたブース)へもちょいちょい覗きにいっています。

※『評論』同人誌とは、およそ商業誌ではフォローしないようなニッチで濃い内容についてフォーカスし、まとめた同人誌ジャンルとなります。

ディープな評論同人誌 6冊ご紹介!

そんな訳で今回は、2017年末の冬コミで気になった評論同人誌を幾つか紹介したいと思います。

え、信長ってこんなに沢山居るの? 『信長名鑑』

「織田信長から織田信長まで、388人の織田信長を掲載」という、秀逸なキャッチコピーのこの本は、主に2000年以降に商業作品として生み出された、様々な織田信長をまとめている同人誌。

『渡る世間はワシばかり』

信長だけまとめて誰得なんだと思いますが、これが非常に読み応えがあります。一口に信長と言っても様々な切り口で描かれている事がよくわかり、例えば近年の「第六天魔王」な怖い悪魔的イメージは、人気ゲーム「戦国BASARA」シリーズや「戦国無双」シリーズからが顕著だそうです。なるほど。

また、近年になると女体化例も多く、この辺りは我々オタクの業の深さをあらためて感じ取れます。

ちはたん ブース

ビールの世界を深く、深く、掘り下げる『味でビールを選ぶ本』

近年激しい盛り上がりを見せる、飲食系評論同人ジャンル。

そんな中でもビールに焦点を当てて、商業誌並の美しい装丁と詳細な解説で人気のサークルがこの「悪人酒場」。今回の新刊はビールを「甘い」「苦い」など、味で分類して解説した、初心者向けの内容の『味でビールを選ぶ本』です。

BEER STYLE COLLECTION BOOK

BEER STYLE COLLECTION BOOK

国内のクラフトビールから、輸入ビールまで、幅広い内容をわかりやすく解説していますので、初心者ならずともビールマニアも必読。

実は主催の三代目悪人氏は、商業ビール解説本の監修や、テレビ番組に出演して芸能人へのビールレクチャーも行う、ブロのビアジャーナリストだったりします。

悪人酒場 ブース

悪人酒場 ブース

『大怪獣サロン大特集/「造詣」から見る着ぐるみという系譜』

こちらは、サークル「わがはじ!」8冊目の同人誌。評論系でもずば抜けて尖ったテーマを毎回扱うサークル主の趣味が全開の本。

今回は東京都中野区にある飲食店「大怪獣サロン」と、コスプレの一大ジャンルである「着ぐるみ」についての特集です。

フェチとオタクを考える評論同人誌00/25 vol.8

フェチとオタクを考える評論同人誌00/25 vol.8

同サークルでは以前「女装」をテーマとした本を出しており、ボクもインタビューされたことがあります。毎回サークル主である『すくみず』氏のインタビューが上手く、読者が知りたい事を的確に書き上げています。

  • 大怪獣サロン大特集/「造詣」から見る着ぐるみという系譜
  • サークル名:わがはじ!
  • 著者:すくみづ
    https://twitter.com/suku_mizumi

評論系の中でひときわ目を惹く わがはじ! ブース

”野良の蛇口”写真集『外蛇口・6』

同人誌ならではの切り口のこの本は、街頭でよく見かける「蛇口」についての写真集です。超マニアックなジャンルですが、今回で6冊目。

外蛇口・6

本書では、この外蛇口を大きく6種類に分類し、美しい写真とともに紹介していますが、読んでみるとたしかに面白い!

例えば、工事現場に立っているのは”ガテン系”だったり、壁から唐突に出ている蛇口は”やんちゃ系”と、分類からの収集という、学術的とも言える素晴らしい内容です。今回は動物園にある外蛇口も特集。流行に敏感なフレンズも要チェックです。

ニョロフスキーカンパニー ブース

難解!? 美術系評論本『キャラクターの自画像 自画像は常に失敗する』

こちらは評論系でも珍しい、アートを文脈的にアプローチして綴る論文的な同人誌。文中でも筆者が「親切な本ではない」と断りを入れていますが、めっちゃ難解です。

絵画にスポットをあてた評論本

正直、ボクは半分も理解出来ません。が、こういった本に触れる事により、新たな知見を得られますね(脳みそを沸騰させながら)。

そしてこちらのサークルでは、コミケでも珍しいVAPE=電子タバコに使う、ハンドメイドに限りなく近い器具(MOD=モッド)の紹介本も扱っています。大量生産品にない、製作者の意図が感じられるような美しい道具を、工芸品的な観点からも紹介しているという同人誌も中々ユニークです。

ITO ブース

秋葉原紹介同人誌の老舗サークル『秋葉に住む VOL.27』

著者自身が秋葉原在住という、筋金入りの秋葉原紹介同人誌。27冊目となる今回は、深夜営業を行う飲食店を紹介しています。

秋葉原に住む Vol.27

元々、秋葉原は夜が早い街で1990年代末頃には、夜8時にはお店がほとんど閉店している状況でした。

近年は夜遅くまで営業する店も増えましたが、深夜営業のお店はやっぱり少ない秋葉原。今回はオーセンティックバーとメイド喫茶を紹介。後半は、著者しげの氏の趣味でもある、新築分譲、賃貸マンションウォッチ。こちらも中々濃い内容となっています。

秋葉に住む ブース

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日本の法律に違反しない限りは、ありとあらゆる表現を受け入れるコミケットでは、いわゆる「薄い本」と呼ばれる一般的な二次創作同人誌だけでなく、今回ご紹介したようなニッチな本もたくさんあります。

そこには著者・製作者たちの煮えたぎるような熱い情熱と、今の時代に「あえて紙の本にする」という行為を通じて読者と直接コミュニケーションが取れるコミケットという場への想いも感じずにはいられません。

今回紹介した本についてはいずれも本記事中で本文など掲載していません。
もし興味を持たれたら、今後の同人誌頒布会場や、各サークルの通信販売等で購入し中身を読んでいただきたく思います。


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